食べ歩きツアーも佳境にはいった4軒目。
「肉系のメニューが食べたい」というフットボーラーらしいチームメイトからの要望に答えるべくチョイスしたお店。
実は私、普段はあまり肉系のメニューを食べないので、なかなかチョイスが難しかった・・
肉系メニューの評判や、立地、店休日、営業時間など、諸々の事情を勘案した結果チョイスしたお店。
それは、善通寺にある「岸井うどん」。
このお店の注目ポイントは、「ビニールハウス」。
ビニールハウスのなかでつくられたうどんを、ビニールハウスの中で食べることで有名なお店なのだ。
お店に到着すると、このツアーで一番の行列。
といっても、20人もいないくらいか。
うどん店の行列は、人数がすごくても回転が早いため意外と待ち時間は少ない。
食べるのに時間がかからないうどんならではである。
どこからどうみても、農業用のビニールハウスにしか見えないお店をみて一同が驚く(たぶん)。
さっそく行列の最後尾にならぶ。
運悪く炎天下。直射日光がジリジリと行列にならぶチームメイトの体力を奪っていく。
行列が進みなんとか、店内に入ることができた。
これで直射日光を避けられると思ったら甘かった。
お店がビニールハウスであることを見事に忘れていた。
お店の中は、湿度が高く見事に蒸していた・・・・
暑さに耐えつつ、いよいよ注文口が近づいた。
と、ここで、このツアー始まって以来の想定外の出来事が発生。
なんと、GW期間中で忙しいためか、うどんのメニューが絞り込まれ4つのなかからしか選べなくなっていたのだ。
これは想定外だった。
選べるメニューは
しょうゆかけうどん
肉しょうゆうどん
かまたまうどん
肉かまたまうどん
だけであり、かけだしを入れたタイプのうどんが一切注文できなくなっていた。
このお店に来るまでの車内では、チームメイトに「ここのかけだしはうまい」という情報をアナウンスしていたにもかかわらず、かけだしメニューが注文できないとは。
まだまだうどん通としての情報収集が足りなかった・・・・
この失敗は次回のツアーに活かそう。
ということで気持ちを切り替え、なにを注文すべきか再度考える。
この後に訪問する予定のお店で、しょうゆうどんを食べることが決まっているので、しょうゆうどんはパス。
となると、肉を味わってほしいこのお店では「肉かまたまうどん」を食べることになる。
瞬時に行ったこの緻密な計算に基づいて、チームメイトには「肉かまたまうどん」がオススメであることを伝える。
同時に、ここの天ぷらはぜひ食べるべきであることを伝える。
というもの、このお店の天ぷらは、他のお店と比べ物にならないくらいクリスピーなのだ。
どの天ぷらも衣がカリッカリ。ケンタッキーのクリスピーチキンレベルにカリカリだ。
その独特の食感がたまらなく美味しい。
GWのためか、天ぷら類もいつもより種類が少なかったが、是非とも食べるように伝えた。
注文まで後数人というところまできた。
すると前に並んでいた人が、「かまたまうどん、冷たいの」という注文をしていた。
これには、びっくり。
というのも、理論上「かたまたうどん」は温かいうどんでしかありえないからだ。
「かまたま」の「かま」は、麺が茹で上げたままの釜揚げ麺であることを意味している。
水で〆てしまったら、釜揚げ麺とは言えないから、冷たい釜揚げ麺というのは、理論上ありえない。
これは、さぬきうどんの初心者が勘違いしがちなことあるあるの定番ネタである。
しかし、お店の方も、このオーダーに普通に応じていた。
推察するに冷たいかまたまうどん、というのは、水で〆た冷たい麺に生卵をいれたうどんであろう。
これは、厳密には「かまたま風うどん」だ。
お店の人はわかっているだろうが、わざわざ指摘するまでもないからそのまま注文を受けているのだ。
注文している人がこのことを理解しているのなら問題ない。
しかし、水で〆た冷たい麺を生卵に絡めて食べるのと、アツアツもちもちの釜揚げ麺を生卵に絡めて食べるのでは全く食感も美味しさも違う。
注文した人が、冷たいかまたま風うどんを食べて「かまたまうどんってこんなものか」と思ってほしくないのだ。
これはさぬきうどん好きとして是非とも避けたい事態である。
その意味で、冷たいかまたまうどんは理論上存在しないことを多くの人に知ってもらいたいものだ。
さて気を取り直して自分の注文。
お腹の満たされ具合からすると、正直しょうゆうどんでさっと済ませたい。
しかし、うどんツアーを引率するものとしてそれではいけない。
使命感から「肉かまたまうどん」小600円を注文。
さらに、普段この腹具合からしたら絶対に取らない天ぷらもピックアップ。
なすの天ぷら100円。
ちなみにお会計は食事後、食器を返却した際にする。
これも他のお店とはちょっと違う。このルールの違いがうどん巡りの楽しみでもある。
このお店、店主である大将とその奥さんだけでお店を回している様子。
暑いビニールハウスのなかなので、とてもしんどそうだ。
大好きなお店なのでいつまでも元気でやってもらいたい。
奥の方にあるビニールハウスがお客さんでいっぱいだったので、調理場のある方のビニールハウスのカウンター席で食べる。
このお店の麺は、やや太め。
手打ち手切りの麺は、とても麺自体のうまみが強い。
釜揚げにすることで、いつもより麺がさらに太く感じ、モチモチとした食感も楽しめる。
お肉も甘すぎず絶妙な味付け。
生卵と混ざって、うまみがあふれる美味しさ。
いつも以上に美味しいうどんだった。
天ぷらもいつものとおりクリスピーで美味。
サクサクというよりザクザクという食感。
それでいて衣の量はちょうどよく、油ぎっているわけでもない。
この天ぷらは唯一無二の味である。
しかし、4軒目のうどんということもあり、かなりお腹いっぱい。
かけだしがない釜玉なので、汁気でうどんをお腹に導くことができない。
ここではカケダシ系のメニューを食べるつもりだったので誤算だ・・
なんとか食べ終えてお会計。
お店をでると、他のメンバーもかなり苦しそう。
とくに厳しそうな顔をしていたのは、意外にもポジション柄巨漢であることが要求されるラインポジションのメンバー。
大きい体に見合わず、そこまで食が太いわけではないようだ。
あるラインマンは、店内で肉うどんの肉を他のメンバーにあげたらしい。
生まれたこのかた食べ物を他人にあげたことがなく、今回が初めてだったという。
しかもラインの大好物の肉を他人にあげるなんて我ながら信じられないと言っていた。
これには笑った。
さすがの大食漢も、うどんは食べ慣れていなかったらしい。
ということで、苦しいながらも美味しく天ぷらと肉かまたまうどんを食べ終え、次のうどん店へ向かう。
つづく・・・・
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